映画ばっか観て人生のチャンスを見逃しがちな煉瓦ホリオの映画評
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作品名
DOCUMENTARY of AKB48to be continued
「10年後少女たちは今の自分に何を思うのだろう」
監督 寒竹ゆり
制作総指揮 岩井俊二
出演 AKB48
観賞方法 劇場観賞
[煉瓦の批評]
アイドル映画という色眼鏡は外して観るべき、いや観てたら勝手に外れます。
これはね観たかったんだすごく。
それと同じに寝ちゃうんだろうな~って危惧してたんですよ。
だからガムを懐に忍ばせ乗り切ろうとしてたんですが
そんな心配もなく
グイグイ引き込まれました。
最初にAKBの主要メンバーが食事をしていて
ここが唯一のフィクションであり演技をしている場面。
どうだろ、これは僕の考えでは最初に
「彼女達は普通の女の子なんです」
と見せたかったのかな、と
この先ずっとドキュメントとして素の彼女達の顔を見て行くことになるのだけど
それとの落差がものすごくて悪くない演出と思います。
ただ、演技的なものはやっぱちょっと・・・・です。
人によってですが妙に顔の表情が豊かではっきりとゆっくりとした滑舌のよい感じで
ちょっと不気味で
良くも悪くも監督と言うか岩井俊二の演出でしょうね、あのゆるふわなほんわりな画面は
でもやっぱりそこも
今から始まるAKBの現実とのGAPを見せるとしてはいい演出、構成になってます。
内容的には
主要のメンバー一人づつにスポットを当てて
AKBの事とメンバーの事、自分の事、10年後の事など掘り下げて行きます。
うん、これね掘り下げ方が、TV的でなくて素晴らしかった。
年始にこれのTV版となるものがNHKでやっていたのですが
それは非常にTV的なドキュメンタリーで
いわゆる「仕事の流儀」や「情熱大陸」的な物で、それはそれで良かったんですが
それの流れを汲んでの劇場公開だと思ったら
全然違った、無駄なテロップやナレーションを一切排除した、
アイドルという非常にPOPな物を扱っているのに
緊迫した作り、嫌なドキドキでなく非常に応援したくなるドキドキ感。
今の時代これでもかというテロップやナレーションのオンパレードで
視聴者に考えさせるという能力をつけさせないんですが
こういった、視聴ターゲットを相手にこういった作品を提示するというのは
もの凄く実験的であり勇気のいる事だと思う。
でも、それが出来ちゃうのは現状のAKB48の天下無敵のパワーと
秋元康の戦略でしょうね。
TVのテロップなんかは秋元康ととんねるずのタッグによって
TV業界に浸透したって言うから
自分で毒まいて時代を超えて解毒薬もまく
うわ~凄い事だな~~~~。
秋元話は置いといて
映画の話なんですが
非常にドキュメンタリー作品として濃厚です。
集団での一人一人が
何を考え生きているかというのを見る良質なサンプルになります。
ただここには悪いサンプルはない。
淘汰され勝ちあがった人達だけがいる場所だから
ここに疑問を持つ人もいるでしょう
恵まれた人達だけの成功者、しかもアイドルというチヤホヤされの
ドキュメントなんか見たくないと
でも
そんな人こそこの作品を観るべきです。
観てしまったら
軽く、アイドル?あぁ、ちやほやされるだけのちょっと可愛けりゃ誰でもなれるんでしょ?
なんて絶対言えません。
特にこの作品の主要キャストとして出ているメンバーにはね。
(僕はアイドル全員が全員努力してるとは思ってないです、先に書いたようなアイドルもいっぱいいると思います)
売れるべくして売れた、これで売れなきゃやってらんないです。
芸人を目指している身としては僕たちのやっている努力は
努力でもなく、当たり前の事なんだ
努力と言うのは、その当たり前の事をこなしてからやる事を努力って言うんだな~
と深く反省させられ考えさせられます。
夢を掴んでいるのに夢への坂道をまだまだ駆け上がっていく
夢を掴んでしまってどうしてよいか分からない
自分がAKBを抜けて10年たってもAKBは続いてほしい
今の立ち位置は分かっている
など彼女らの言葉はリアルかつ
自分たちの現状を分かっているからこその重みがある。
だからこその上昇志向、絶え間ない努力なんじゃないでしょうか
斜め見しようと思ったらいくらでも見れてしまう作品ですが
この作品はまっすぐな瞳に戻って見る事をおススメします。
キラキラと光っていた想い、を思い出してね。
AKB興味なくても経営や集団に属して悩んでる人は何かのきっかけになるかも
集団でのリーダー格、エースとしての立場、支える屋台骨、脇役も主役になれる、
自分の立ち位置、後輩先輩関係など
非常に勉強になります!
アイドル映画としては
今までAKBのメンバーでいまいち可愛くないのになんで
けっこうピックアップされるんだろう?っていう
メンバーの良さが手っ取り早く分かります。
なるほど、そりゃ人気出るわなって!
そんな感じです。
これはもう観るべし!観るべし!
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