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映画ばっか観て人生のチャンスを見逃しがちな煉瓦ホリオの映画評
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[作品名]
愛のむきだし

監督
園子温

出演
本田悠(通称:ユウ) - 西島隆弘
沖島洋子(通称:ヨーコ) - 満島ひかり
コイケ - 安藤サクラ
カオリ - 渡辺真起子
本田テツ - 渡部篤郎
タカヒロ - 尾上寛之
ユウジ - 清水優
先輩 - 永岡佑

鑑賞方法・レンタルDVD


[ホリオ評]
長時間の尺を感じさせない作りに脱帽。
色んなのむき出しちゃってます!


いや~~~観終わった後に一気に脱力しましたよ。
いい意味で疲れました。

なんせこの作品4時間もあるんすよね。

DVDだと上巻下巻と分かれていますし

僕は時間の都合で上巻、下巻を別日に観たんです(めっちゃ後悔)

それでも観終わった後どっと疲れが来て眠くなりました。

あぁ、やっとぬくぬくな、ぬるま湯な、お布団の中のような現実に戻れたって感じす。


まず驚きなのはこの作品現実の話を基に作られてるんだって!

え?

どの辺が?

盗撮マニアがいてその妹が新興宗教団体に入団してしまって、なんとか連れ戻そうとする所

ふ~ん、そうなんだありきたりだねってどこが!え?マジで

この辺りはフィクションかと・・・・。そんな人いたんすね。

えっとストーリー的にはそんな感じです。

もっとも中盤以降~ラストまでがこんなんです。


この作品のいいな~って思う所は
次から次へと巻き起こるスピーディーな展開

んでその一つ一つが良く出来ていて面白い。

やろうと思えばどんだけでも膨らませれるんだろうけど
敢えてしてない感じもいいね。

どっかの批評で安いランチで安いおかずがいっぱいみたいな例えしてたけど
(その例え自体どうかとおもうけど)

僕はあんまりそうは思わなくて、一つ一つが馬鹿馬鹿しくて愛らしい、
役者さんの色んな顔、いやこの役柄の色んな顔が観れるってのはラッキーです。

僕たちは映画の登場人物の一つの面での表情しか観れない事が多い。

主人公のユウはどこか無機質で裏表がなさそうで実はあるんじゃないの?って
疑いたくなるような飄々とした人物。
で実際裏なんかそうそうないんだよね。

普通に進行したら、あまり表情が増えないタイプの役柄だと思うんだけど
この次から次へと来るエピソード、展開によって
彼の表情が彼自体がむき出しになっていく。

だからこそ必要なストーリー展開だったと思います。

むき出しといえばやっぱユウの父親の恋人(結果結婚したのあの2人?)

カオリ役の渡辺真起子の怪演とコイケ役の安藤サクラの怪演でしょう。

カオリはバッっと鮮やかにむき出し

コイケはねっちょりぐっちょり瘡蓋を剥がすようにむき出されていきます。

この2組と渡部篤郎のおだやかだけど馬鹿な父親がいたからこそ

主演の二人がわかりやすく、むき出していたのでしょう。

ちなみにユウの不良仲間兼盗撮仲間兼親友の3人組もすごい馬鹿で
イチイチ台詞や表情で笑かしてくれますが

一番馬鹿だったのは父親ですね。やっぱ、ユーモア的にもそうだけど
なんも知らない世間知らずって意味でも。

ま、この2人(カオリとコイケ)がバッチシはまってた事が
この映画をグッと引き締める要因だったのは間違いないんだよね。

にしてもとにかくこの2人がブスいのよ

ブスくて性格超悪い

なのにヒロインの満島ひかりのヨーコに負けないくらいの引き込ませ方。

圧倒的なパワーで吸い込まれます。バキューム。

特にコイケなんか本当に
嫌らしい顔で嫌らしい性格で嫌らしい動きするのよ。


観ていて腹立ってくると同時に勃起しちゃいそうなんだよね。

とゆうかあれは実際されたら勃起するよね~
みたいなのが分かってる動きなんよね。

そーゆーのが計算できているあたり安藤サクラという役者恐るべし。


ちょっと「怪」よりな話でしたが

ここで「美」方面へ

もちろん満島ひかりちゃんのヨーコなんですが

やっぱいいよね。

本当に可愛くてかわいくてって感じです。

「悪人」でのビッチ感満載の性悪女も良かったですが

今作のまだ自己を確立できていない思春期がゆえの
性格の悪さってのもいいです。

現代っ子ならではの器用さと不器用さ、
自分があるようで自分なんて無いって感じが
たまんなく表現できてますよね。

本当に結婚なんかもったいない、
日本映画の宝だったのに、宝になりかけてたのに

結婚したらさちょっと役柄も変わってくるじゃん

てかさ今までのようなペースで作品にも出て来なくなるじゃん!

てか「川の底から・・・・」の監督と結婚なんてさ

日本映画界大丈夫か!こんなん許して!!!!!

ふぅ、もう気が済みました。

作品と関係なくてごめんなさい。


最後に
「愛のむきだし」ってタイトルなんだけど
観てる側は
そんなに愛についてこだわんなくていいと思うよ

たまに「これのどこが愛だ!」とか「愛の本質を分かってない」

みたいな

批評される人いますけど

本質なんて誰もわかんないんでね。

でも少なくてもこの作品に登場した人物たちは
それぞれの愛をむき出しにして

生きてきたんだと思います。

父親としての愛、神父としての愛、男としての愛

本能の愛、友情の愛、恋愛、自愛。

ヨーコ、ユウ、コイケはそんな愛に振り回されながら

実の親に愛を与えられなかった悲しいお話です。


これは当然

観るべし!観るべし!勃起とはなにか感じるべし!




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