映画ばっか観て人生のチャンスを見逃しがちな煉瓦ホリオの映画評
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作品名 暗いところで待ち合わせ
監督 天願 大介
原作 乙一
出演
本間ミチル 田中麗奈
大石アキヒロ チェン・ボーリン
二葉カズエ 宮地真緒
三島ハルミ 井川遥
松永トシオ 佐藤浩市
鑑賞方法 DVDレンタル
[煉瓦評]
良かった!良かったんだけど!劇中ずっと気になる点が!
まず最初にこれは乙一原作のドラマです。
乙一テイストたっぷりの作品、乙一好きな人や苦手じゃない人には
かなりおススメできます。
あらすじ的には
交通事故で目が見えなくなったミチルの一人暮らしの家に
殺人事件の容疑者と思われる青年大石が忍び込み
盲目のミチルと大石の奇妙な共同生活がはじまる。
って事です。
盲目な人を演じる田中麗奈が素晴らしかった。
メイク的な部分もあるんでしょうが
ただ目が見えないって演技じゃなく表情や顔の筋肉の使い方など
本当に盲目の人に感じれてしまいます。
演技でいったら
ハルミ役の井川遥、彼女に脱帽です。
もうね!あのホームに飛び上がるシーンの怖さ
駆け抜ける鬼気迫る感じ
あの数秒間、僕はゾクゾクっとしましたよ。
演技や役のハマリっぷりは佐藤浩市のくそっぷりもいいし宮地真緒の感じも、あの役としての最適な振る舞いだったし、概ね良かったです。
ただ大石アキヒロ役のチェン・ボーリンさんだけけっこう気になった。
まず原作には確かない設定、中国人と日本人のハーフ。
これ別にいいんだけど、別にハーフにしなくてよくない?
というか中国の俳優をキャスティングしなくてもよかったのでは
何故かと言うと、日本語の発音が厳しいのと
どうしてもボビー・オロゴンの喋り方に似ていて気になってしまう所。
彼自体、台詞が多い役ではないんですが(一応主演ですが)
それでも気になるなぁ、
まぁ彼の事は置いといて
素晴らしいな~って思う所はいくつもあって
まず窓なんだけど
なんで女の子一人暮らしなのにどの窓も
がっつり丸見えで薄いカーテンだし
玄関なんかもいくら古い家だとしても
ガラス面多すぎじゃね?って思ってたんだけど
あれは僕が思うにね
まず光が彼女には必要だからじゃないかな?
目の見えない彼女が昼夜を区別する為にってのと
彼女の心理についての描写なんじゃないかな?
具体的に書くと今から観る人に変な先入観与えちゃうと思うんで
書かないけど
窓や玄関のドアの感じと主人公の関係性について
注目して観ていただきたいです。
他にも
人と人との関係性の描き方が巧いな~って思ったね。
希薄でなあなあで言葉だけで
特に大石の職場での感じとかね。
薄っぺらいのね。
その分
目が見えないミチルと幼馴染のカズエの関係性をより人間味あふれる
感じにしている
所詮健康な体に健全な心なんて宿らないんだよ。
不況といえども、金銭面も健康面も基本何不自由ない今の多くの日本人より障害はあれども、いや障害があろうとなかろうと関係ないか。
勝手な仮説だけど
大石の会社を現実的な
ミチルの生活に関わる人たちを非現実的な
部分として描いてる気がするんだよね。
現実的だけど大石の会社の人達はどこかビクビクしていて猜疑心の塊みたいで生きていて狭っくるしい感じがします。
ミチルの生活に関わる人たちはなんか非現実的で現代を生きていない
感じがするが本当の意味で生きているように見えました。
井川遥演じるハルミもね
あの事を起こしたから
大石の会社という現実的なところから
ミチルのいる非現実的なところに
いけたんじゃないかとね。
んで基本的には好きなタイプの作品でしたが
どうしても気になっちゃうのは
やはり大石の侵入から侵入中です。
いやいくら盲目だからって人の気配には気づくでしょ?
なんか逆に盲目だからこそ、その辺は敏感なんじゃないかとも
思ってしまいます。
もしかしたらとんでもない鈍感女かもしれないし
いいかと思ってたら
一応途中で気づくんだけど、まず途中できづくんなら
最初から気づくんじゃないかな?
しかもなんかもしかしてお父さんの亡霊?みたいな描かれ方で
最初はいいんだけどいつのまにか、亡霊ではない侵入者って気づいてるんだよ、ならばそこの切り替えの描写欲しかったなー。
一応原作にはね、誰かいると思うけど襲われたら舌を噛み切ってしねばいいや、っていう独特の悲観的楽観思想があるのよ。
そのあたりの描写もなく残念。
いくら目が見えないから、得体の知れない誰かに食事を作ったりする?
するにしても理由や心理描写をもっとわかりやすくして欲しかった。
これがどうしても気になった。
さて
この作品に関してはもしかしたらかなり僕の主観的な部分が多く
的外れな批評をしてるかもしれませんが
それを確かめるべく
観るべし!観るべしです!部屋を暗くしてみよう!
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