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映画ばっか観て人生のチャンスを見逃しがちな煉瓦ホリオの映画評
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作品名 HAZARD(ハザード)

監督 園子温

出演
シン  オダギリジョー

リー  ジェイ・ウェスト

タケダ  深水元基



鑑賞方法 DVDレンタル


[煉瓦批評]
リー役のジェイ・ウェストがいちいちかっこいい。
すべてをぶっ飛ばすほどの破壊力!

まず、万人にお勧め出来る作品ではないです。
内容が内容だし、演出で映像粗く撮ってるしね。

でもたまんない人にはたまらんのだろうな~ってのも
同時に感じた作品。


オダギリ演じるシンが退屈な日本いや

彼曰く眠くなるけど寝れない日本を抜け出しNYへ

行きそこで出会ったギャング等と行動を共にしていくって話。

まず、日本でのシーンなんだけど
シンがいかに日本を嫌っているかわかります。

あれ実際にシンの大学生活で起こっている日常でなく
シンの目に映る日常をイメージ化したものなんじゃないかな?
と勝手に予測。

シンは生きてないんだよね、死んでないだけ。
体は生きていても心は死んでいる。

なんでそこまでいっちゃったのか気になる所ではあるが
とりあえず日本から、いやこの現状から抜け出したくて
たまらないのは良く分りました。

女もウゼーしね。

仲良し子良しで原っぱで円になってみんなで歌う。
死んだようなシンの耳に聴こえるのは
「僕らはみんな生きている~♪」
おもろいっすね~この演出。

監督の意地の悪さが良く感じ取れます(いい意味です)

よくある「自分探し」的な一人旅とはなんか違う
どちらかというと「自分壊し」の旅


そして、確固たる目的もないまま渡米

言葉の壁にぶつかりながらも
自分の壁をぶち壊して進んでいくがまったくうまくいかない

このあたりの演出で
外人との会話をほとんど字幕にしてくんないんだよ
だから英語わかんない僕としてはまったく良く分かんなく

ただ不穏な空気と強まる不安感とイライラだけで
話が進んでいきます。

あ、これは主人公のシンも同じだ!
なるほどシンの体験を観てる側に疑似体験させているんだ!

これは驚いた、観ている側のストレスと主人公のストレスを
レベルは違えど同じ波長にしているんだ。

やっぱりこの監督の手腕すばらしいっす。

そして、とある事がきっかけで
地元のギャング2人組
日本人と中国人?とのハーフのリーと
日本人のタケダに出会う。

ここで拍子ぬけたのがギャングっていってもアジアンなんだって事

なんとなくギャングの世界に足を入れて行くみたいなのは予備知識として
持っていたんですが

まさか亜細亜とは。

なんとなくのスケールダウンにしょんぼりしましたが

そんなのはすぐに吹っ飛びました。

この2人の無茶苦茶さと言ったらありませんよ!

バナナ食べたいからとかでお店で銃ぶっぱなしてバナナ盗んだり

ドライブ行きたいからカップルに銃つきつけて車盗んだり

アイスクリーム屋を経営してるんだけど従業員笑いながら
ブン殴ったりそのアイスがドラッグ入りだったり

本当にやってる事最低なんだけど


捉えようによっては最高の2人なんですよ。

なんのフォローにもなってないけど劇中この2人誰も
殺してないし、撃ってはいるけど当ててないんだよね。

ここ気にしといた方がいいかも。

まぁ、ここまで最低な2人なんだけど
そこまで最低に見えないのがこの2人のキャラクターによるのが
デカイと思います!

リーは本当にファンキーという言葉が似合いますし
この男の為に生れた言葉といっても過言じゃないくらい
ファンキー

そしてセクシーでダンディー。

リーから発せられる言葉には魂がこもっていて
人に勇気を与え、奮い立たせる。

普段あんだけふざけていてもシンに真面目に英語を教え

その教え方も粋。で詩人。

劇中ちょいちょい出るだけですが、あんな教えられ方だったら
英語習ってみたい。

シンを悪事の方向に向かわせるが良い方向にも向かわせる。

中盤での仲間の儀式的ドッキリなんかモロそれ

リーでなくリーの仲間のチャイニーズマフィアの言葉ですが
「作るのは敵じゃなくて仲間」←(こんなような事)
今まで敵としてしか人間を観ていなかったシンに
重くのしかかると同時に目から鱗な言葉だったんじゃないでしょうか。
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ちょっとリーの時とは違うけどこの人です。
良い役者!2011年現在あまり出てないみたいだけど
もっとみたいですね。


一方、リーの相方のタケダはというと

リーと同じくぶっ飛んでます。

黒人同士の揉め事で誰よりもでかい声であおったり銃で事を大きくしたり

リー以上に大胆な所もあるかと思えば

一目ぼれした相手をずっと想っていて声もかけれない

そんな純な所もあります。

ま基本彼の部分だけコメディタッチだけどね。

そんな2人はシンと出会う前に
幾つもの修羅場を乗り越え友情を確かめ合ってきた事だけは
容易に想像できます。

こーゆーのってよく映画で主人公とリー的な存在の奴が
必要以上に仲良くなって元々の相棒がないがしろにされたりするんだよ。

けっこう多くの映画やドラマや漫画で見られます。

そーゆーのに限ってテーマが友情だったりする
お寒い感じなんですが

この作品は、友情をきちんと守ってる
最後の事件が起きるまで彼らとシンの間では
絆では結ばれているが薄いうすーい壁とも言い切れないような
薄いなにかが間にあったのです。

その最後の事件きっかけで本当に壁がなくなり
3人は本当の固い絆で結ばれたんです。

同時に色んな大事な物を無くすんですがね。

そんな感じで彼ら三人の奇妙なバランス

同じ3人のバランスがポイントの映画

「蛇とピアス」が離れたくても離れられないけど
ものすごく薄い関係での絆で離れたらもう戻らないと思うし
離れたら、戻りたいとも戻ろうとも思わないバランス

一方
この3人のバランスは
誰も離れようなんて考えない、離れたとしてもがっちり絆でつながっている。

どっちがいいとは言いません。

恋愛と友情の差ですけどね。

とにかく両方観るのがいいと思います。

ラストのシンが日本に戻ってすぐの渋谷でのシーンは
たまりませんなぁ~

この監督は日本の恥ずかしい所を描くのも巧い!

園監督の手腕と3人のバランスを観るべし!

観るべし!



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