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映画ばっか観て人生のチャンスを見逃しがちな煉瓦ホリオの映画評
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作品名「トニー滝谷」

監督 市川準

原作 村上春樹

出演
イッセー尾形

宮沢りえ

鑑賞方法 レンタルDVD


(煉瓦評)
上質の2人芝居を見ているようなイッセー尾形と宮沢りえの存在感。

なんの予備知識もなくなんとなく、タイトルとジャケット写真が気になって
観てみた作品で恥ずかしながら村上春樹の短編ともしりませんでした。


あらすじ的には
ずっと孤独に育ち、孤独を怖いと思わなかったトニー滝谷が愛する女性と出会い、孤独を感じなくなるも、今度は逆に孤独が怖くなる予感をしながらも生活を送る。
以前から癖としてあった妻の奇行が段々エスカレートし夫婦でそれに向き合っている途中で悲劇が・・・・。
妻がいなくなった後トニー滝谷が取った行動や人生をせつなく、淡々とつづる。


とね、なんとなくのあらすじで書いたとおり
本当に淡々とストーリーは進行していきます。

淡々なんだけど重みのある
市川準監督らしい、現代人をグッとひきよせる演出ですね。

本当に終始淡々としているので眠気を感じるかと思いきや
 あまり感情を表に出さないトニー滝谷に感情移入しちゃいます。

誰しもが持ち合わせているような、不安や人見しりの面や猜疑心やどうせっていう感情がすごく出ているからでしょう。

イッセー尾形さんの表情での演技によるものも大きいのでしょうかね。

ずっと孤独で生きてきた滝谷が職場で出会ったある女性に
恋をし、デートを重ね、求婚。

この無理目な女にアタックする様がいいよね、なんか応援したくなる描かれ方だしね。

この女性というのが宮沢りえなんだけど
不気味加減半端なく感じました。

本音とか本意はどこなんだろう。

本当に滝谷の事が好きだったんだろうか
何故、あの癖が止めれなかったんだろうか

一見したら
滝谷を愛していて良い奥さん
だが、とある癖(ほとんど病気)のせいでおかしくなる
ぐらいの感じだけど

私は上に書いた本音とか本意はなんだったんだろう?というのが付きまといました。

いい奥さんを演じていただけなんじゃないだろうか

この人を愛そうと、愛していると無理やり刷り込んでいたんじゃないんだろうか

幸せなふりをしていただけなんじゃないだろうか?

そのストレスであぁなっちゃったんじゃないだろうか、とか

なんとなくそんな気がしました。


宮沢りえの葛藤の部分は本当に観ていて目をつむりたくなる。
自分でもどうにもならない自分との心と体の戦い。

その後のトニー滝谷の行動や人生は
観ているだけの私たちには想像もつかない絶望だったんでしょう。

滑稽とも思える行動に涙が出ます。

人によっては
なんじゃこれ?面白くない!となるかもしれない作品ですが

僕は好きですね。

これは
観るべし!

自分は孤独だと思ってる人こそ観るべし!
















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