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作品名 エクステ
監督 園子温
出演
栗山千明
大杉漣
つぐみ
佐藤未来
佐藤めぐみ
[煉瓦批評]
園監督最新作「冷たい熱帯魚」は名古屋では3月19日~ということで少し時間があるため
それまでは過去作で楽しもうってことで
実は一番とっつきにくそうで一番ピンときたホラー作品「エクステ」に手を伸ばしてみた。
なんとなく一時期ブームとなったJホラーと呼ばれる「リング」「らせん」~「富江」といった
ものを想像していたのですが、違ってました。
ホラーとしてはどちらかと言えば日本のなんか不気味、不穏な感じ、精神的に怖いっていうのじゃなく
痛い怖いの方でアメリカ寄りのホラーに近い感じ。
ジャンル、ジャケ写など完全にホラー作品なのに
撮り方が青春風だったり、フェイクドキュメンタリー風にも見えたり
作品としての工夫が随所に見られます。
監督の手腕でしょうね。
だからその分ちゃんとしたホラーを観たかった、怖がらせて欲しい人には
オススメできません。
ホラーというより荒唐無稽すぎる青春ブラックコメディドラマとして観ましょう。
ホラー部分としては本当に目を背けたくなる「痛み」
この「痛み」の描かれ方が非常にリアルで本当に痛いんです!
ア~イタタタタ~~~~って何度もなります。
やめて、やめてそれ絶対痛いからさ~~~~~~って実際何度も薄目で見ましたよ。
このシーンもね、何回も切りそうで切らなくてってのを繰り返すのよ。
あ~痛そう。
ストーリーとしてはシンプルで物足りない部分も若干ありますが
主人公の栗山千明が今何をしていて、どんな人間関係で、何を悩み生きているのかって所は
すごくはっきりしていて感情移入もしやすい。
特に前回「東京島」を観ているからなのでしょうか?やっぱ主人公に感情移入できるか
ってのはとても大事。
主人公の働いている美容院の従業員達とか最高だね。
なにあの、後輩にやたら厳し気な先輩、胡散臭いやたらポジティブな店長
うわ~~そこまで話に絡んでこないけど良い味でてます。
そんな中本当に話に絡んでこないけど満島ひかるの存在感たるや
ただ煙草すってるだけなんだけね。光ってます。
そういえば序盤の説明過ぎる話し方をわざとする栗山千明やその周辺の人たち
アレすごく良かったのに中盤以降やらなくなったから少し残念。
まぁ、事件前、事件後でのメリハリをつけるにはいいのか。
あまり本筋とは大きく関わらないですが児童虐待が中盤までの
ホラーシーンより恐いトピック
昨年なにかと話題な、つぐみ演じる虐待ママの傍若無人っぷり
堪りません!彼女の最後のセリフ「何タラタラ観てんだよ!」とかの感じ好きです。
まさにMUTEKI!
虐待される子供もまたすごいんだよね。
なんて言うんだろう、虐待される子供の有り様ってのが、リアルに描けていて
イライラするのよ、この子供
誤解を恐れずかくなら、虐待してしてオーラ満載なんです。
セリフ、行動、視線、どんくさいっぷり、勝手に何かやるっぷり
子供なのにちゃんと演技できてます。
素晴らしいね。
中盤以降のホラー以外の所での恐怖は
やっぱ大杉漣さん
奇奇怪怪な演技で、わぁ~~、いるいるどの町にもこんな変態
と思わされます。
あの歌も最高です。
ちょっとだけ、それどうなのって所もあったんだけど
あの、髪の毛の女の子はさ、怨念かなんかであの能力を身に付けたんならさ
自分をあんな目に合わせた奴らを狙わない?って事
もしかしてジョジョのスタンドみたいに射程距離あんのかな?
山岸由香子だっけ?4部のスタンド使い、あれの感じなんかな?
ま。そこがちょこっとだけ気になったくらい
時間も短すぎず長すぎずでちょうどいい加減です。
これは是非とも観るべき!